新スコラ学


Thomism

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作成日 2002/6/1

「Neo-Scholasticism 13世紀の指導的な神学者・哲学者であったトマス・アクィナスの学説の復興をめざす哲学運動をいう。新トマス主義(Neo-Thomism)ないしトマス主義(Thomism)ともよばれる。19世紀後半いらい、ヨーロッパをゆり動かした諸事件、すなわち資本主義の矛盾の激化、労働運動・革命運動の高揚、マルクス主義の成立と発展などに当面して、ローマ教皇レオ13世は精力的に社会問題について発言しはじめた。その回勅《エテルニ・パトリス》(1879)による呼びかけによって、トマスの哲学は、マルクス主義を<論破>し、社会主義運動を撲滅するための武器として、復活させられた。新スコラ学は、カトリック信仰を前提し、哲学を神学の下位におき、自然科学を信仰に奉仕させる。その人間観・社会観は、私的所有を人間の自然法的権利と宣言することから出発するので、資本家階級による生産手段の私有を擁護し、社会主義・共産主義の思想と運動と制度とを敵視するものである。 1889年にベルギーのルーアンに哲学研究所が設立され、これがいまでは、新スコラ学の国際的中心になっている。現在その代表者はフランスのマリタン、ジルソン(E. Gilson, 1884〜 )、オーストリアのヴェッター(G. Wetter, 1911〜 )、ポーランド生まれでスイスに住むボヘンスキ(J. Bochenski, 1902〜 )など。」
                         
哲学辞典 森 宏一編集 青木書店 より




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