ヒューム


Hume

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作成日 2002/6/1

「Hume,David 1711〜76 イギリスの哲学者で、経済学や歴史についても著述した。経験論哲学者ロックの学説から影響をうけ、これを不可知論の方向へとすすめた。かれによると、知識の役割は存在をとらえることではなく、実生活をみちびく能力をもつことだという。ここにすでに、かれが懐疑論の立場にあり、不可知論の主張者であることがしめされている。かれによると、すべて人間にとって存在とされるのは、直接の感覚的経験である<印象>の流れであって、これがなにによってひき起こされるかは、われわれには知ることができない。 自我というものにしても、こうした<印象の束>をいうだけである。経験からえられる事物の基本的関係は原因と結果との関係(因果関係)であるが、これはただ習慣からつくられるもので、その確信性は理論的知識の立証によるのではなくて、信じることによるのである。これらの見解から、かれの道徳説では、有用さがその基準をなすという功利主義の立場をとり、神についての神学や哲学の理論を拒否し、宗教を歴史的経験に訴えて解し、その功罪をみとめている。この不可知論の哲学は、現在でもひきつづき影響を残し、実証主義 となってあらわれている。」

哲学辞典 森 宏一編集 青木書店 より




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