フォイエルバッハ


Feuerbach

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作成日 2002/6/1

「Feuerbach,Ludwig 1804〜72 ドイツの唯物論哲学者。ベルリン大学に学び、1828年エルランゲン大学講師。1832年キリスト教批判の書《死と不死についての思想》のため解任され、以後南独ブルックベルクの寒村にひきこもり、終生著作に専念した。その間、ハイデルベルク大学に招かれ、宗教の本質について講義。晩年は困窮のうちに死んだ。かれは生涯を通じてマルクス主義をうけいれなかったが、その終わりにはドイツ社会民主党に参加 していた。かれは、その哲学思想において、ヘーゲル哲学の本質が合理的思考の外皮をまとったキリスト教神学に他ならぬことを暴露し、キリスト教の神が人間の本質の疎外された姿なることをしめし、人間の本質を自然的・感性的存在としてとらえて、この観点から唯物論的人間学をうちたてた。かれは宗教とのたたかいのうちで、青年ヘーゲル派の思想から唯物論にすすんだのである。かれによれば、ヘーゲル哲学の真髄である神学を人間学に解消することこそ近代哲学の課題なのである。 フォイエルバッハは、フランス唯物論における無神論をさらにふかめ、宗教の本質を人間の自己疎外としてとらえた。かれの哲学は、マルクス、エンゲルスにつよい影響をあたえ、かれらがヘーゲルの観念論から唯物論へ移りゆくきっかけとなった。しかし、かれの社会理論は観念的なものにとどまっていた。マルクスとエンゲルスはすでに《ドイツ・イデオロギー》(1845〜46)で、また後になってエンゲルスは《フォイエルバッハ論》で、かれの唯物論が、もっぱら人間について 一般論を説く<人間学>、つまり抽象的な人間と自然のわく内でのみとらえられており、唯物論をせまく規定しているため、歴史と社会の法則的な把握という観点が決定的に脱落していることを指摘している。」

哲学辞典 森 宏一編集 青木書店 より




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