ディドロ


Diderot

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作成日 2002/6/1

「Diderot,Denis 1713〜84 18世紀フランスの唯物論を代表する哲学者のひとり、啓蒙思想家であり《百科全書》(1751〜80)の編集・発行者。また作家、芸術批評家でもある。豊かな手工業者の家に生まれ、ジェズイット派の学校でまなび、パリにでてコレージュ・ダルクールに修学した。哲学上では、当時おこなわれていた理神論や倫理的な観念論から唯物論と無神論の立場へうつり、ラーメトリやドルバックと同じ機械的唯物論にたっていたが、 そこには弁証法の要素もひそんでいて、物質と運動をむすびつけて考え、自然におけるさまざまな過程とそれらが自然の永遠な形態変化たることと関連させ、意識の本性についてもこれを物質の発展上に生じてくるという理解をしめしていることなどに、そのことがみられる。認識の問題ではロックの第一性質および第二性質の考えをうけつぎ経験論にたっており、同時にロックとは異なって第二性質をも客観的なものと説いた。そしてF.ベーコンの<知は力なり>の見解にたって、 知はたんに真理を知るということにとどまらず、自然にたいする人間の力を増すために役だてることにあるとして、この見地から知識と技術・産業との結合を重視した。かれが編集した《百科全書》は、封建的な宗教イデオロギーとのたたかいにむけられ、そのために迫害をうけたが、ついに完成しおえた。その間、ロシアのエカテリナ二世に招かれてその地に旅行している(1773)。かれは、進歩的な活動に専念したが、社会観では観念論者としてとどまっており、その政治的な 見解では封建的専制とはたたかいながら、啓蒙的な君主制をよしとしている。文学・芸術上の著作も多く、《ラモーの甥》(1762〜79)が、エンゲルスから高く評価されているのは、よく知られている。」

哲学辞典 森 宏一編集 青木書店 より




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